サステナビリティ

環境を守る

衣料品回収を通して感じた意識の変化と、環境に対して私たちができること

アダストリア・ロジスティクスでは、アダストリアグループが掲げるサステナビリティにおける3つの重点テーマ、「環境を守る」「人を輝かせる」「地域と成長する」に基づき様々な活動を行っています。今回は「環境を守る」のビジョンのひとつである、「ファッションロス(※1)のない社会」に向けた取り組みとして、従業員が着なくなった衣料品の回収を実施しました。

10日間という短い期間でしたが、茨城西、藤岡、藤岡第二センターの3拠点で、約800枚の不要となった衣料品を回収することができました。この活動を通して、環境問題へどんな気づきがあったのか、今後アダストリア・ロジスティクスとしてどのようなことができるのか藤岡物流センターの南雲さん、藤岡第二物流センターの剱持さんに話を聞いてみました。


環境問題とわたしたちの取り組み


ファッションロス問題について実際意識して取り組んでいることはありますか。

剱持:私は具体的にどれくらい環境に影響を及ぼしているか、どれくらいの量が毎年廃棄されているのか数値としてきちんと把握できていませんでしたが、環境に影響を及ぼしているというのは、テレビなどで耳にしたことがある程度でした。

南雲:僕も耳にしたぐらいです。ざっくりと「多い」という感じの印象でした。
どちらかといえば「食品ロス」のほうが自分の生活には近くてなじみがあります。ただ、今回取り組みを行なう中で、自社は衣料品を取り扱っている会社なのでこの問題に対してもっと意識レベルをあげていかないといけないと実感しました。従業員の皆さんは洋服が好きな方も多く勤務中の服装は割と自由なので、動きやすさに加えておしゃれもみなさん楽しんでいます。グループ企業の洋服を購入している方も多くいるので、ご自宅に不要な洋服はたくさんあるのではないかと思います。そう考えると一人ひとりの廃棄量は少ないかもしれないですが、全体で見るとものすごい廃棄量になりますよね。

剱持:そうだよね、結構な枚数になるよね。
自分では飽きてしまったり、新しい洋服を購入して着る頻度が少なくなってしまっても別の誰かに着てもらえるのであれば、「ゴミ」として捨てるのはもったいないなとこの活動を通して感じています。

お二人は環境問題について日常で何か意識して取り組んでいることはありますか

剱持:何回も繰り返し使えるエコラップを使用するなどのちょっとした「エコ」活動や、会社でペットボトルキャップの回収を行なっているので分別活動に参加しています。

南雲:僕は、温暖化をひしひしと感じています。「温暖化により南極の氷が溶けてきている」というニュースを耳にしても実際距離が離れた場所での話なので実感がなかったのですが、センターで勤務していると年々気温が上昇していて、クーラーの効きが悪くなってきていると実感しています。そのため、今年も早い段階から熱中症対策には取り組みました。

剱持:あと身近なところでと言えば、電気とガソリンのハイブリッド車で通勤をしています。通勤で毎日車を使うので、少しでも環境に優しいものに変更しようと思いCO2排出量が少ない車に変更しました。次に車を買い替えるときも、CO2排出量が少なく環境に優しい車にしたいと思っています。

南雲:車通勤が主となっている私たちにとって、身近なところからできるエコな取り組みですね。

衣料品回収を通して意識した気持ちの変化

今回、衣料品の回収を行なったことで環境について意識の変化は何かありましたか

剱持:回収活動の背景を知ることで、ファッションロスがこんなにも環境に影響を及ぼしていることを目の当たりにしたことで「私も回収活動に貢献したい」という気持ちが大きくなり実際自分も回収に参加しました。

南雲:僕は今まで衣料品もゴミとして捨ててしまっていましたが、まだまだ「ゴミ」として捨てるにはもったいないと感じました。また、自社で回収する背景を知り、取り組みに共感したこともあり、衣料品回収活動に貢献したいと思いました。

剱持:今回の回収で「目的と回収後の工程」がはっきりしていた点がとても良かったです。
どういった工程を辿ってどのようにリサイクルされていくのかをある程度理解したこともあり、自分でも率先して取り組みができたと思います。従業員の皆さんへ周知するときも目的や回収後の工程を明確に伝えたり、回収する際の工夫をしてより回収しやすい環境作りに努めました。
それもあって、この回収活動が「環境を守る」というテーマに繋がっているという共感を多く得ることができて、短期間で多くの回収が出来たのだと思います。

共感してくれる仲間を増やしさらに環境への意識を高めていきたい

今回の活動があらためて環境問題に対して考えるきっかけとなりましたか?

剱持:この活動をきっかけにだいぶ考えるようになりました。衣料品だけでなく食品なども含め、本当に必要なものだけ買おうとあれから気を付けています。

南雲:僕も改めて環境問題を考える良いきっかけになりました。色々とゴミで捨てていましたが分別できるものは分別して一つでも「ゴミ」を増やさないように心がけたいと思っています。

ファッションロス問題だけでなくアダストリア・ロジスティクスとして目指したい姿はありますか?

剱持:藤岡第二センターでは電気の節電にも力を入れています。
従業員一人ひとりが節電を意識してくれているので、こちらが節電への意識に対して圧倒されることが多いです。でもこういった一人ひとりの小さな積み重ねが「環境を守る」ということに繋がっていくのだな、と日々感じています。衣料品、資材、電気など手段は違えどどれも環境を守る行動になっているんだなと。

南雲:身近なことってどうしても日々の作業に追われて見えないことが多いので、ふとしたときにこれって環境にとってどうなんだろうという「疑問を持つ」ことが大事かなと思いました。ただそれは、私たち社員だけが取り組む問題ではなく、わたしたち物流センターで働いている全員が考えて取り組んでいけるようこれからも問題意識をもって仕事をしていきたいと思います。



衣料品回収を通してファッションロスだけではなく、食品ロス、自動車のCO2排出量など身近なことから「環境を守る」行動はできるとあらためて実感しました。衣料品回収のみならず、これからもサステナブルな企業活動をしていくうえでより多くの従業員に共感して頂き、物流センターからも様々な取り組みを行なっていきたいと思います。

(*1)ファッションロスとは、新品・中古に関係なく、まだ着られるのにも関わらず廃棄(単純焼却・単純埋め立て)されてしまう衣服の問題を指します。 2022年度の環境省調査によると、日本国内で新たに供給された衣類は年間79.8万t、約9割に相当する73.1万tが1年間に事業所や家庭から手放されています。そのうち87%にあたる69.6万tは、家庭から手放された衣類であることが分かっています。この家庭から手放された69.6万tのうち、66%にあたる45.8万tの衣服が、資源として再活用(リユース・リサイクル)されることなく廃棄・焼却される運命を辿っています。
出典:環境省 「令和4年度循環型ファッションの推進方策に関する調査業務 -マテリアルフロー」
https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/goodpractice/case26.pdf